女優の伊波杏樹さん

アンチイズム3日目夜公演を観劇してきました。

前置き

ラブライブ!に触れていなかった私が、前作が人気だったからという理由でラブライブ!サンシャイン!!を観て物語とキャラクターにまんまとやられて。

キャストのライブまでハマりたくないなと思っていたのに、1stの出来事を知りこれは参加するしかないと思い、2ndから参加するようになり。

きんちゃんを緩く(未だ有料会員系は未加入)推してたつもりが、浦ラジや舞台裏、MCなどで垣間見える言動からいつの間にかあんちゃんからも目が離せなくなり、3rdでフル初披露だった「勇気はどこに?君の胸に!」の笑顔でとどめを刺されたんでしょうね、たぶん。

 

準備から幕が開くまで

夏ぐらい(?)から告知されてた今回のFlying Tripの公演は機会があれば(チケットが取れれば)観たいな、くらいで申し込んだら嬉しいことに当選したのでした。定時であがって職場から向かっても間に合うくらいだったけれど、半休予定も入れ、後になってチケット取れた日に催される会社の忘年会のお知らせが来たけど、そんなん知らんわって感じで。

また、今回は少しでもいいからお手紙を書こう、と思っていました。今回の舞台とは関係ないけれど、4thの感動などを少しでも伝えられたらと思い、その旨と舞台を楽しみますってことを認めたのでした。初お手紙。

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そして、今回の準備で何よりも重要視したこと。それはあんちゃんではなく、

女優 伊波杏樹の舞台を観に行くんだ

と自分に言い聞かせることでした。ラブライブ!サンシャイン!!以外だと、せいぜいアニメガタリズを観た程度の自分。ご本人が好んで舞台の仕事をしているように見受けられるからには、それ相応の態度で臨もう、と思っていました。まあ、女優としての伊波杏樹さんがどんな表現をされるのかってところに興味はあったので、書いてはみたもののそんなに言い聞かせてません。自然とそういう意識になってましたね。

初日、2日目とTwitterで感想などを散見すると、賞賛の声ばかりで期待は高まる一方でした。

観劇当日、公演開始の1時間前から物販で、その1時間前から整列開始ということで、Aqoursの物販に比べたら楽そうだし(参加したことなし)、せっかくなので初めて参加しました。結局、前日か当日お昼の回くらいから先着順ではなく、抽選に変更になったとのことで、番号札をもらって、スタッフさんが抽選するのを待ちましたが、10/46に引っかからず台本はハズレ。まあ、しょうがない。伊波セットは希望者数が予定準備数より下回ったので無事に確保。引換用の札を受け取り一旦劇場の外へ。

物販のスタッフの方が喫煙したい方は劇場前のセブンイレブンで喫煙できると聞いています、と案内していたので向かってみました。2階まるごとイートインコーナーになっていて、隔離された喫煙所もありました。とても助かりました。コーヒーとサンドウィッチを買って、昼の回の感想を見ながら軽く腹ごしらえ。

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18時をまわり、受付に行って伊波セットを無事にゲットして、ついでに伊波さんが主演を務めたというブラックダイスのDVDも購入、これで帰ってからも楽しめる、とかこの時は思ってました。開演時間までさらっとパンフレットを眺めながら待っていたけど、あっという間に開場、座席は2列目下手側。前列の人たちがみんな大きかったけど、まあ、大丈夫、首を動かさずにステージも全て視界に入る。

 いよいよ照明が落ちて、舞台は幕を開けたのでした(実際には物理的な幕は一度も使用されていませんが)。

 

開演

約2時間でしたが、月並みに言えば、本当にあっという間でした。出演している役者さんが10人以上いて(伊波さん以外で12人)、きっと2時間で目まぐるしく展開されて、ストーリー自体の理解ができるのかという心配もあって、後で振り返りたくて台本が欲しかったのだけれど、そんな心配は杞憂でした。そりゃプロが観てくれる人に伝えようと作っているのだから大丈夫ですよね。ネタバレ云々を理由に雑に端折ります。すみません。

1つだけ触れたいのですが、開演前、いったん照明が全て消えて、再び点いたとき、どんな点き方だったか全然覚えてないのですが、身体がフワッと浮くような感覚があったんですよね。緊張してた自分の錯覚ではなく、そういう効果があるような演出なのだと思うのですが、まあ、そういう風に感じたのは事実。あれで舞台の世界にすーっと引き込まれましたね。

 

伊波杏樹

で、肝心の、女優 伊波杏樹はどうだったかと言えば、すげえ、でした。

3rdで披露してくれたバク転、勇キミの笑顔、4thの挨拶、そのどれにも劣らない衝撃でした。

今まで見たことのない伊波杏樹がそこにいて(伊波さんの舞台を初めて観たのだから当たり前なのだけれど)、結果から言ってしまえば、事前にあんちゃんではないと言い聞かせたことなど杞憂に終わり、全く意味のない作業だったくらい、ああ、この人が九条菜々(役名)なんだと、その佇まいから感じとれるものでした。

表情、声はもちろん全身で九条菜々を、九条菜々のいろいろな感情を表現されていて、その感情の変動がまさに波のように、観ている自分を揺さぶってきてたのでした。自分を九条菜々に重ねるでもない、九条菜々を自分に重ねるでもない、彼女の感情が伝播してくるというような感覚。ああ、それ感情移入って言うんだよ、と言われてしまえばそれまでですが、それとも何か違うような感じ。九条菜々が泣いているわけではないシーンでポロポロ涙が出て、客席からもところどころすすり泣く声が聞こえたシーンなんかは特にそう思いました、振り返ってみれば、ですけれど。

 

1人の人間が、自分ではない人間をこんなにも表現できて、人に伝えることができるものなのかと今さらながらに知ったのでした。ラブライブ!サンシャイン!!の千歌ちゃんの声の演技からだって十分にわかっていたつもりだったけれど、舞台ではもちろんアニメの絵はなく、自分の身体ひとつで表現しなくてはならない。そういった意味で、私は伊波杏樹のことは全くわかっていなかったのですね。たぶん、伊波さん推しの方からすれば周知の事実で、本当に今さら何を言っているんだ、といったところでしょうね。

 

これも今さらかもしれないし、ただの個人的な感想なのですが、今回初めて観た伊波さんの舞台、演じる、とか、お芝居をするというより、表現するっていうのが一番近いかなと思いました。頭で考えるっていうより全身の細胞が反応しているっていうようなやつ(スラムダンクでしたっけ、こんなこと言ってたの)。千歌ちゃんを始め、いろいろな役を表現されてきて、それらで培ってきたものが伊波さんの中に蓄積されて、その時の役を形作るのに必要なエッセンスが抽出されてきているかのような。なんか気持ち悪い例えになりましたが、あんちゃんとしても普段から、その役の世界に入って、その世界を生きたいというようなことを言われていたかと思いますが、それをまさに体現しているんだなあと納得するしきりでした。

 

伊波さんの表現した九条菜々に引き付けれ、先述した感情の波に揺さぶられるような感覚がとても心地がよく、また、伊波さんの舞台を観たいと思うのに十分な2時間でした。

あんちゃんは伊波さんの一部でしかなく、その全てではないが(ふぇ?っていう感じのあんちゃんももちろん好きですが)、あんちゃんとしてだけでなく伊波杏樹を推したい、伊波さんの表現に触れられることだけでも幸せなことだ、と明確に認識したのでした。まだ22歳だというのに、ハツラツとしている、とか、初々しさとか若さに頼るような部分はないその表現に圧倒され、この先どんなものをみせてくれるのか、どんな風に変わっていくのか、楽しみと期待しかない女優 伊波杏樹でした。

 

最後に

蛇足ですが、伊波さんの表現と、舞台中のいくつかのシーンから実存主義の話に至り、雲散霧消するのでした。表現するという本質を獲た伊波杏樹さん。作る・書くという本質を獲た春間伸一さん。表現していきたい、作りたい・書きたい、少なくとも2人のそんな想いを勝手に感じました。舞台にしろ小説にしろ、あらゆる作品は、出してしまえばどう受け取るかは受け手の自由なのでそれでいいかなと思いつつ。

記憶力なんて全然よくないから、細かい部分とかは覚えていないのですが、家に帰ってからも舞台上の九条菜々の姿が結構残っていて、気がつくと伊波さんのことばかり考えていて、これはいかん、吐き出したら区切りがつくかと思い、拙いながら書いてみました。

書いてはみたものの、あと数日はアンチイズムに思いを馳せつつ過ごしそうですね。まあ、焦ることはないので区切りがついたらブラックダイスを観ることにします。

そういえば、この日、収録用のカメラが入ってましたが、どちらが入るのでしょうか。自分が観た回にしろ、観てない回にしろどちらにしても嬉しいんでしょうけど。

とりあえず、近いうちにSMAのやつ、入会しよ。。。 

 

おしまい